シアル酸の機能
シアル酸とは、細胞表面の糖鎖末端に存在する糖の一種(酸性糖)で、人の細胞のほかに、母乳や卵などに存在しています。その機能を簡単に述べるとすれば、「細胞の表面に存在することで、細胞に何かがくっつくときにこれを介する働きをする」ということです。
シアル酸を含む糖鎖は、細胞と細胞の情報伝達や、何かが細胞につくときの「レセプター(受容体的機能)」といった機能を果たしています。つまり、ウィルスや細菌などが細胞に感染する際にも大きく関係しているのです。
主なシアル酸の機能とその用途
●薬理機能 | 学習能向上効果 |
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感染予防効果 | |
去痰効果 | |
筋萎縮症治療効果 |
●用途 | 研究用試薬 |
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医薬品原料 | |
診断薬原料 | |
ウィルスフィルター | |
ウィルスセンサー |
赤ちゃんとシアル酸
シアル酸は先に述べたように母乳中にも含まれていますが、特に出産後10日目までの初乳での含有量が多いことが報告されています。これは、新生児の未発達な免疫機能を補ったり、あるいは下痢などの症状の主要な原因と考えられているウィルスなどに対して感染防御作用を担ったりと、乳幼児の健康維持に重要な役割を果たしているのです。
また、シアル酸は脳や中枢神経系に特に多く含まれており、その含量は乳幼児がもっとも多いと言われています。これは、シアル酸が脳の発達に非常に大きな役割を果たしているからです。
独自のシアル酸製造
高速液体クロマトグラフィー
多岐に渡る用途が期待されるシアル酸を製造するには、主に動物を起源とした天然物(海ツバメの巣、牛乳、鶏卵)からの抽出方法や、ある種の大腸菌の発酵方法等が実施されてきました。しかしながら、これら天然由来の物質からの製造では、供給量やコスト面において限界がありました。
サンヨーファインでは独自の研究により、シアル酸の大量製造を確立し、大量供給を可能としたのです。この製法によるシアル酸は、純度が他の製造方法に比べて高く、品質も大変すぐれています。